道徳の授業の指導案の予想される生徒の反応の欄に書かれていそう風にしてみた

A「佐々木さんは日本人なので北朝鮮から出て行ってください」

B「差別は禁止です。嫌ならAこそ出て行ったらどうですか」

Ⅽ「差別禁止を押し付けるBが私は怖い」

Ⅾ「そういうあなたは佐々木さんに対するAの差別を肯定するのか。自分も差別は禁止だ」

E「そういうあなたは差別する自由を侵害するのか」

F「(ホント、私たちは自分以外に踏み込んだり踏み込まれたりして生きているよね。呼吸の比喩してる)」

G「差別する自由はありです。多様性の一部です。しかしその多様さは対等ではないです。現実的には非対等です」

H「なぜ?」

G「否応なしに身にしている歴史がそれぞれにあるからです」

H「そんな歴史、改竄しちまぇ」

Ⅰ「改竄しなくてもしても歴史と現在は連続していないよね。そこにはあいだがある。そこをどうというところに…」

J「改竄しちまぇというと改竄され返されるぞ。その歴史がしかし今日をこれから生きるにも大切なはず。Hだって起きたら素っ裸で戦場にひとり放り出されていたらどうするんだ。寝た時はフカフカのベッドだったのに」

k「とすると差別される側にも問題があるとでもいうのか。炎上するよね」

Ⅼ「いじめられた側にも問題があるというと炎上するように…」

J「でもいう。あえていう。だが半分はいう。つまり差別されるような佐々木さんは今の状態ではいけません。しかしA、B、Ⅽのいう通りにも私のいう通りにもなる必要はない。他方、私はこれから佐々木さんがそのままでもいらわれるようにかわる。ごめんね」

Ⅿ「私には佐々木さんがよくわからないのです。こうした議論、かつて校内暴力が吹き荒れていた時代、生徒抜きで深夜まで先生たちによって行われていた生徒指導会議のようなもので、独りよがりではないですか?」

N「そうそう。最近はオープンダイアローグの時代だからね。当事者のいないところでは当事者について話してはならないんだよね」

O「(ああ、また会話が元に戻りそう。終わりなきマウンティングを生きよ、か)」

P「(うん。見かけは違ったけどまただね。もう帰りたいよ)」

Q「お兄ちゃんが、家でげんしょうがくてきかんげん、げんしょうがくてきかんげんってぶつぶついってた。それしてみようか」

R「なにそれ。宗教?」

Q「違う。違う。自然的態度の一般定立の徹底的変更ということ」

S「武装らしきを一旦解除して佐々木さんに会いに行こう」

T「言うは簡単。そうやって一旦、武装解除をしました。会いましょうというあなたのような人間を信じてどれだけの…強いて呼べば謎人物が面談中、殺されてきたか。あるいはあなたのような人物が殺されてきたか。佐々木さん会ってくれないかもな。当然、直接的には会ってくれないだろうね」

U「昭和天皇が亡くなった時の様子を父が話してくれた。近いうちに亡くなりそうな天皇の容体がテレビに刻一刻と映し出されていた。多くの人が自分の仕事をしながら気にかけていた、と」

Ⅴ「たくさんの覗穴から覗かれるジョシコウセイの生活を公開しているビジネスみたいだね。いいね。いいね。超いいね」

Q「逆パノプティコン

R「またわけのわからんこと言った。専門用語つまりジャーゴンはここでは禁止だ」

Q「しょうがないでちょ。そんなことできない。そういうあなたが勉強してよ。前田くん」

W「禁止の禁止令(ボソ」

S「わかった。佐々木さんに会わないように会えればいいんだよ。佐々木さんはいつもの通り。でもその傍らには私たちがいる」

T「そんなことできるの? どんな風に」

S「佐々木さんにも生まれてこのかた見ている風景があるはずだよね。その風景を人工的に全部つくりかえちゃうの。つくりかえる以前と全く同じに。そして私たちはもともとの風景とつくりかえた風景のあいだに隠れるようにして佐々木さんに会うの」

T「よくわからないな。佐々木さんの人間関係に協力してもらって佐々木さんの人間関係の見かけと中身を四分の一ほど私たちと換えてしまい、換わった中身として会いに行く、それも換わっていないように飾ってということ? 面談中の殺人は起きそうもないよね」

Ⅹ「そんなことできるの?」

Y「演劇関係ではすでにやっている人たちもいる」

Z「佐々木さんの人間関係が協力してくれるかどうかだよね」

Y「頼みに行こう」

皆「協力してください。お願いしますm(__)m」

佐々木さんの人間関係「わかった」

 

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こういう書物は読む人の心にいろいろと巻き起こるでしょうね。