フッサールの「幾何学」(仮)について4の補足

フッサールの「幾何学」(仮)について4」で台形、等脚台形、平行四辺形、ひし形、正方形、長方形、たこ形の関係についてのベン図に大きさの関係を導入した。次いで各形が持っている内接円や外接円でつながる線を示すことを試みた。線を示す前の図が図Aです。

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 図A

 そして一般四角形のまとまりを右に進みつなげていった線(一本の長い線)が図Bに示されています。

 

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 図B

図Bとは逆方向に進みつなげていった線が図Cです。

 

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 図C

さて補足するところはここからです。前回は図Cの一般四角形とたこ形についての線(非対称の二本の短い線)しか明らかにしませんでした。しかし見返すとその線の上に台形についての線が引きうることがわかります。その線を前回は明らかにし忘れていました(なぜなのでしょうね。自問)。

台形についても引きうる線を調べまとめた図が図Dです。平行四辺形につて一本、台形について三本、引けそうです。

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 図Ⅾ

 この線についてそれぞれ「線の途中に触れる線」(青い線)と「元の線に加えるようにして少しのばした線の始点と終点をつなげる線」(赤い線)を調べ書き加えた図が、図Eです。

 

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 図E

すると平行四辺形についての一本の線と台形についての一本の線は青い線しか引けませんでした。これが指示することは、その二本の線は形の「一貫した変形」がなされないということです。

さて以上、新たな四本の線が一本の長い線と接続した図が図Fです。

 

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 図F

長い線、短い線とも始点=終点となる形があるのですが、その形から別の線へと接続しています(「一貫した変形」がなされない二本の線は、循環しているため長い線と接続しないですが、一応、一緒に記しました)。左上の短い線が二カ所で、長い線と接続している理由は、短い線にとっての長い線と長い線にとっての短い線ということです。

ここから図を一気に六枚(図G、H、I、J、K、L)載せますが、それぞれの線の始点=終点から出発しどのように移動するのかを示した図です。

 

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 図G

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図H

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図Ⅰ

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図J

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図k

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図L

図Lはまとめたものです。六枚目の図Lからわかることがあります。二つの形(外接円だけある一般四角形と内接円だけある台形)で移動ができていないことが分かります。二つは未通過の形です。

そしてひし形からの両側展開の移動を示した図が図Mです。

 

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 図M

図Mの移動は図Lの移動より三つの短い線を通過しない分は明らかに短くなっています。その短くなった分の線や接続しないようにしてありえていた二本の線もやはり図Mでは接続しないのですが、その二本の線も含めて、もう一度拾うようにして図Мに書き加えた図が図Nです。

 

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 図N

 

 

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※クレーの「黄金の魚」の構図と?

図Nは、自分にはパウル・クレーの「黄金の魚」と同じような構図に見えて仕方がない(クレーさん、すいません)。大きな魚一匹に、小さいの七匹。大きな魚の鰓やヒレや尻尾など可動域には一般四角形が位置づき、そしてその先にそれらとしての短い線、小さな魚の大きさや色づかいは短い線の長さや性質に対応しているよう。

 

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この幾何学を書いていると、何度か「あれ?これはひょっとしてクレー?」と思うことがあるのです。クレーはどちらかといえば抽象画でしょうが、その抽象性を極めたところに、この幾何学が位置づくようです。それで、いつも思うのですが、クレーと構図が似ているからといっても、やっぱりこれは幾何学なのです。幾何学の研究者やその関係者にはこの見かけでいいのかもしれないですが、いくぶんでも絵が描けたらなと思っている自分としては、先ほど例示したまさに「子供の落書き」をちっとでもよくしていきたいと思うのですね。

 

 ※「神像筒形土器」と

・後ろ姿の上部肩の左右の文様について

 結論から行くと。この部分と。

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幾何学のこの部分が対応しそうです。逆も同じで。土器のこの部分と。

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幾何学のこの部分が対応しそうです。

説明は以下です。

「神像筒形土器」の文様全体の上下左右は、ここでの図Lの上下左右と対応するとする。図Lでは二カ所、未通過の形があった(図では黒の四角の枠で囲っている)。その二カ所は二本の短い線―等脚台形に関する線とたこ形に関するの線-の部分の形ですが、その二本の線が「神像筒形土器」の後ろ姿の上部肩の左右の文様と対応する様です。肩左の文様が図Lの等脚台形に関する線で、肩右がたこ形に関する線のようですね。

肩左の文様の立体的な穴の右側の台形に内接円がある様な文様が、等脚台形に関する線の未通過の形です。肩右の文様の立体的な穴の左側の一般四角形のような文様が、たこ形に関する線の未通過の形です。どちらの文様もその形の下に渦巻きの文様がありますが、それは図では対角線を引いた一般四角形と対角線を引いた台形における「線の途中へ触れる線」の表現であり、その渦巻きに上部的に隣接する文様が肩左の文様では円形、肩右の文様では鱗の楕円の文様ですが、これは図では両方の線とも未通過の形の隣の形の表現です。図における端的な違いは、内接円が必ずあるかどうかです。その違いが図の文様の円形のあるなしと対応しているようです。さらのそれらの文様の隣の文様では、円形のあるなしが逆転していますが、それは図ではたこ形に関する線では今度は、内接円があり、等脚台形に関する線では内接円がないということに対応しているようです(この土器では一般に内接円は二重の円として描かれるようです)。

 

・土器側面、立体的な穴について

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土器側面の立体的な穴の造形は、図では対角線を引いた一般四角形に対応する様です。

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一般四角形は、必ず内接円と外接円を持つ場合―「ねじれ四角形」(図の蝶々のような四辺形)が必ず持つ-と、対角線を引かなければどちらもない場合―いわゆる普通の四辺形-という二つの場合の性質が重なってありえているのですが、そうした二重の性質が土器側面にもかかわらず土器最上部の造形と関わるようにして立体的にありえているようです。

 

・「神像筒形土器」と「双眼深鉢」と

「神像筒形土器」の文様がここでの図Lに、「双眼深鉢」の文様が図Mに対応するようです。どちらの土器も「双眼」であることは同じですが、違いは「双眼深鉢」の双眼の造形の傍らに「神像筒形土器」にはありえている小さな円形の造形がないことです(写真ではなく立体のブツを見てみないとはっきりしたことはいえませんが)。仮にないとすれば、なくて当然かもしれないです。「神像筒形土器」の小さな円は図ではひし形に対応しますが、「双眼深鉢」に対応する図Mはひし形から両側展開しているつまり展開するひし形がないということから始めているからです。「双眼深鉢」の周囲の五つの造形は図Mでは長い直線の周囲に別にある五つの短い線の表現のようです。